ホーム > 時間基盤情報 > 暦変換 > 暦について > 和暦(明治以降の旧暦)

時間基盤情報-暦変換(和暦(明治以降の旧暦))

概要

日本では明治6年1月1日に太陽暦(実質上のグレゴリオ暦、以下「新暦」)に改暦しましたが、それ以降もそれまでの「天保壬寅元暦」(天保暦)に準じたいわゆる「旧暦」が民間で祭事などに用いられてきました。「旧暦」は、月の配置(置閏法)などは「天保壬寅元暦」を模していますが、朔や二十四節季の計算方法、時刻の基準となる場所が異なるなどの理由から、「天保壬寅元暦」とは別の暦として位置付けられます。

適用範囲

自: 明治5年1月1日 (グレゴリオ暦: A.D. 1872-02-09 / ユリウス通日: 2404832.5)

至: 平成44年12月30日 (グレゴリオ 暦: A.D. 2033-01-30 / ユリウス通日: 2463627.5)

典拠

暦日

(資料)

朔日、閏月および月の大小は原則として官暦および神宮暦に掲載された情報に従っています。参照した資料および資料の所蔵先は以下の通りです。編者、発行元などは資料の書誌をご覧ください。

『太陽暦』 (明治6年~明治12年)
国立公文書館蔵

内務省ほか 『暦』(明治13年~昭和21年)
国立公文書館、東京大学史料編纂所、京都府立図書館、気象庁図書館蔵

神宮司廳 『神宮暦』(大暦) (昭和22年~)
皇學館大学附属図書館、京都府立図書館、大阪府立中之島図書館、気象庁図書館蔵

補助的に、以下の資料も参照しています。

神宮司廳 『神宮暦』(小暦) (昭和24年~)
皇學館大学附属図書館、京都府立総合資料館、埼玉県立久喜図書館、山口県立図書館蔵

朝鮮總督府觀測所ほか 『日用便覽』 (大正12年(第15次)~昭和19年(第26次))
京都大学附属図書館、国立国会図書館(デジタルコレクション)、National Library of Korea(Digital library)、東京大学柏図書館蔵

将来の時間範囲については、西沢宥綜 著 『暦日大鑑』(新人物往来社刊)の掲載に従っています。また、明治6年~昭和21年の期間については、参考用に民間の暦(いわゆる「お化け暦」)の掲載内容との対応を確認しています(民間の暦)。

(資料の適用)

明治5年1月1日~明治5年12月2日

改暦前の日付で、和暦と同じです。

明治5年12月3日~明治42年11月19日(新暦:明治6年1月1日~明治12年12月31日)

官暦(『太陽暦』および『暦』)に掲載された旧暦(太陰暦、太陰盈虚、月盈虚)をそのまま利用しています。

明治42年11月20日~大正11年11月14日(新暦:明治43年1月1日~大正11年12月31日)

「明治41年9月30日文部省告示第235号」により、官暦(『暦』)から旧暦の掲載が無くなります。このため、官暦に掲載された朔および二十四節季(中気)の日時を利用し、「天保壬寅元暦」の置閏法に従って旧暦の月を再構成しています(明治43年~昭和21年の旧暦)。

注1)「天保壬寅元暦」の置閏法は、「天保壬寅元暦」の暦理を記した渋川景佑・足立信行 著 『新法暦書』(天保十三年九月)第二巻の 「大小及閏月」に記述されています。国立国会図書館デジタルコレクションで写本を閲覧可能

大正11年11月15日~昭和19年11月17日(新暦:大正12年1月1日~昭和19年12月31日)

朔は官暦(『暦』)に掲載されている日時を利用しています。一方、ほとんどの二十四節季の日時の掲載が官暦から無くなり(中気のうち、春分、夏至、秋分、冬至は日時、大寒、大暑は日を掲載)、理科年表(大正14年~)も含め、公的な機関からの二十四節季の日時の公表が途絶えます。これに代わるものとして、朝鮮総督府観測所が編纂していた『日用便覧』に掲載されている二十四節季の日時を利用しました(日用便覧について)。これらの朔および二十四節季(中気)の日時を利用し、「天保壬寅元暦」の置閏法に従って旧暦の月を再構成しています(明治43年~昭和21年の旧暦)。

昭和19年11月18日~昭和21年12月9日(新暦:昭和20年1月1日~昭和21年12月31日)

官暦(『暦』)に旧暦の掲載は無いものの、二十四節季の日時の掲載が復活します。このため、明治42年11月20日~大正11年11月14日の期間と同様に、官暦に掲載された朔および二十四節季(中気)の日時を利用し、「天保壬寅元暦」の置閏法に従って旧暦の月を再構成しています(明治43年~昭和21年の旧暦)。

昭和21年12月10日~平成26年11月10日(新暦:昭和22年1月1日~平成26年12月31日)

朔および旧暦の月は、『神宮暦』(大暦)の「朔、上弦、望および下弦」に掲載されている内容に従っています。また、『神宮暦』(小暦)に旧暦(舊暦)が掲載される昭和24年以降は、小暦の掲載内容とも違いがないことを確認しています。

注1)昭和22年は、新暦4月21日同日に朔(13時19分)、中気(穀雨)(7時40分)があります。通常、朔と中気が同日の場合は時刻の前後にかかわらず新たな朔望月に中気が入れられるため、2月、閏2月の順で、新暦4月21日からの朔望月は3月となります。しかしながら、この年は例外的に中気(穀雨)を前の朔望月に入れ、2月、3月の順で、新暦4月21日からの朔望月を閏3月としています(大暦、小暦とも同じ)。通常とは異なりますが、『神宮暦』の表記に従います。

注2)昭和44年『神宮暦』(大暦)の「朔、上弦、望および下弦」では閏7月が掲載されていますが、6月、閏7月、8月という不自然な並びであること、また、昭和44年神宮暦(小暦)ではこの月は7月となっていることから、誤植と判断し、7月としました。

平成26年11月11日以降(新暦:平成27年1月1日以降)

将来の時間範囲については、西沢宥綜 著 『暦日大鑑』の掲載内容に従っています。新たな『神宮暦』が利用可能になり次第、順次対応を確認する予定です。今後の『神宮暦』の掲載内容と異なる場合は修正される可能性もありますので、あくまでも参考用としてご利用ください。

年号

新暦と同じ日に改元されたものとして扱います。なお、昭和から平成への改元直後、12月1日から29日までの期間(新暦:平成1年1月8日~2月5日)は便宜上、平成0年として扱います。

旧暦新暦
昭和63年11月30日昭和64年1月7日
平成0年12月1日平成1年1月8日
......
平成0年12月29日平成1年2月5日
平成1年1月1日平成1年2月6日

書式

通常の書式に加えて、漢数字や干支などを和暦と同様に指定することができます。詳しくは和暦の書式をご覧ください。

備考

年号の指定

入力時(変換元)

年号を「紀元」「皇紀」とした場合は、年を神武天皇即位紀元(皇紀)として解釈します。

出力時(変換先)

神武天皇即位紀元(皇紀)を出力する場合は、書式"yJ"を使用します(和暦の書式の説明)。

暦変換における年号・年の計算

入力時(変換元)

改元日前: 改元した年の中であれば、改元前・改元後いずれの年号も指定できます。
例:大正から昭和への改元は大正15年11月21日(新暦:12月25日)ですが、昭和1年1月1日と入力した場合も正しく解釈します。

改元日後: 暦の適応範囲内であれば、改元前の年号を延長してそのまま指定できます。
例:明治から大正への改元は明治45年6月17日(新暦:明治45年7月30日)ですが、昭和45年12月30日や明治80年1月1日と入力した場合も正しく解釈します。

出力時(変換先)

入力にかかわらず、改元日に従って年号・年が出力されます。