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時間基盤情報-暦変換(和暦(明治以降の旧暦)-日用便覧について)

日用便覧掲載の値

『日用便覧』は、朝鮮総督府観測所(後に朝鮮総督府気象台)が編纂したもので、官暦と同様に毎日の曜日、干支、日出・南中・日入および月出・月入の時刻などが掲載されたものです。官暦では、「明治41年9月30日文部省告示第235号」により、明治43年以降は旧暦の掲載が無くなり、さらに大正12年からは二十四節季の日時も一部しか掲載されなくなります。一方で、日用便覧ではこの期間も二十四節季の日時が掲載され続ました。

日用便覧に掲載された二十四節季の日時を検証するため、二十四節季の中気について下記のとおり官暦と比較しました(全264件)。なお下記の期間、日本と朝鮮の間に時差はありません。

  1. 官暦に二十四節季の日時が掲載されている期間(大正2年~11年および昭和20年)はそれらの日時
  2. 官暦に一部の二十四節季の日時しか掲載されていない期間(大正12年~昭和19年)は、春分、夏至、秋分、冬至はその日時、大寒、大暑はその日

結果として、大部分で官暦と日用便覧に掲載されている日時が一致していること(258件)、一致していない場合(6件)もその差が1分にとどまっていること、さらに、仮に1分の誤差があったとしても検証した期間では日が変わる事例はありません。したがって、和暦(明治以降の旧暦)を構成するにあたり、官暦に掲載の無い大正12年~昭和19年の二十四節季(中気)の日時に代わるものとして、日用便覧掲載の日時を利用できると判断します。以下の表は、日用便覧と官暦に違いがあった個所を示したものです。

年(新暦)二十四節季(中気)日用便覧掲載の日時
(新暦)
官暦掲載の日時
(新暦)
官暦に対する差異
大正02年冬至12月22日 19時34分12月22日 19時35分-1分
大正05年霜降10月24日 02時58分10月24日 02時57分+1分
大正06年秋分09月24日 00時01分09月24日 00時00分+1分
大正07年小雪11月23日 11時38分11月23日 11時39分-1分
大正10年穀雨04月21日 00時32分04月21日 00時33分-1分
大正14年春分03月21日 12時12分03月21日 12時13分-1分

日用便覧内の誤植については下記のとおり対応しました。

  • 大正7年 大寒は本文中では時が抜けていますが、正誤表に従って5時としました。
  • 大正13年 小満は二十四節季の表では26日となっていますが、月毎の表では21日となっています。他のいずれの年も21日または22日であるため、月毎の表の21日としました。(正誤表に該当なし)
  • 昭和3年の大暑は二十四節季の表では8月となっていますが、月毎の表では7月となっています。他のいずれの年も7月であるため、月毎の表の7月としました。(正誤表に該当なし)